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2020.07.18(Sat)

世界一すてきなお人形

s-202007hon.jpg
「世界一すてきなお人形」
お人形好きなら 思わず心ひかれてしまうタイトルのこの本は
いつも 古い手芸の本を探しに行く古本屋さんで
見つけた掘り出し物です
出版社は 偕成社
関係ないけど 昔の手芸の本は技術が高くて
全然歯が立ちませんが 見ているとうっとりします
たった6目の中心の輪から編み広げて
何十センチもドレープが垂れるレースの丸テーブルクロスなんて
何百時間かかることでしょう

さて話をもどしてこの本は 1994年 今から30年も昔の刊行
原著が発表されたのは 1950年です

オレゴン州で著者が生まれた1905年は
ジュモーなどフランスの名だたるビスクドール会社が
SFBJに統合され ドイツに制作拠点をうつしていたころ

著者がはじめての詩を書いた1911年は
ドイツではじめて ニューボーンベビーとよばれる
布ボディのドームヘッドベビーが作られ
(後のドリームベビーと同じモールドです)
お嬢様人形から より庶民的な赤ちゃん人形へ
アメリカ輸出に向け 舵が切られていたころですが
まだまだ美しいお嬢様人形たちも 作られていた時代

著者自身にも娘が二人いるせいか
お人形の描写がとてもくわしくて
何度読んでも楽しいのです

主人公のダルシーがお気に入りのお人形たちは
コンポジションっぽいです

トスカ(白いおくるみをもった茶色いくるくる目の赤ちゃん レースの下着を着ていない)
くるくる目が スリープアイかグーグリーアイかわかりませんが
下着なしでおくるみつき というところから 1930年代以降
ニューヨークのおもちゃ会社がたくさん作っていたベビー人形っぽい感じです

メアリ=アリシア(茶色い髪の毛を三つ編みにしたお嬢様人形)
三つ編みの髪の毛は 1910年前後の
ドイツのキッドボディのビスクドールによく見られます
なおダルシーは「金髪だったらいいのに」と思っています

ダルシーはドールハウスも持っています
「着せ替えができないお人形も
 立たせて飾っておくだけでかわいいのです」
すばらしく同意です
お人形好きの心が 詩人の観察眼と筆致で
表現されていきます

さて ダルシーの近所にプリムローズというおばあさんが住んでいて
この人はお人形やおもちゃのコレクターです
ディスクオルゴールらしき「12曲もちがう歌をうたうオルゴール」
教会のスノードームの文鎮 鉛の兵隊セット
近所にこんなおばあさんがいてほしいという
夢のかたまりのようなおばあさん
そのプリムローズさんが 屋根裏部屋で見つけたという
アンジェラという人形を ダルシーにくれます

金髪の小さなお人形で 金色のひもでゆわえた箱の中には
衣装が入っています
その家に昔住んでいただれかのものだろうと
おばあさんは言います
この描写から SFBJの5号あたりの
着せ替え用のビスクドールかな…という感じがしましたが
最終的には コンポジションっぽい感じでした

ダルシーはアンジェラに対しても
「金髪じゃなくて黒髪だったらいいのに」と不満を持ちますが
帰り道でアンジェラをなくしてしまい
そこから美化した記憶が付け足されていき
「世界一すてきなお人形」を頭の中で作り上げていきます

最終的なアンジェラのスペックは

【本体】
ぱあっとした金髪(ウェーブ?)
スリープアイ
パパママふいごつき(パパママジュモー? ステネールのジゴター?)
フォノグラフつき(子守歌を歌う トーキングジュモーっぽい)
手足を振って歩く(ウォーキングジュモー? ステネールのジゴター?)

【ドレス】
部屋着
部屋着とおそろいのねまき
パジャマ(赤いビロードのスリッパつき)
雨具セット(レインコート、開閉できる雨傘、雨靴)
乗馬服(ジュモーっぽい)
水着と水泳帽(オンディーヌっぽい)
カウボーイ服セット(ベルト、ピストル、長靴つき)
毛糸のセーターセット(毛糸の三角帽子、指なし手袋)
緑の絹のよそゆき
おしゃれコートセット(ボタンつきの靴下…ガーター靴下のこと?
 昔風のふかふかしたベレー帽・羽かざりつき)

【小物】
ハンカチ入りのハンドバッグ
小さな革手袋
シーツ ピンク色の繻子の掛布団

【靴】
エナメルの黒い革のハイヒール(立たせることは想定してなさそう)
スケート靴(ねじをまくと動く…とあるので 1926年ごろのローラースケート靴かも)

読んでいるだけで目がうれしくなる
私の頭の中にも「世界一すてきなお人形」が組み上がっていきます
先入観があるせいで 私の頭の中に生まれたのは
いろんな機能を搭載された後期のテートジュモーでしたが
たとえばこれがブリュジュンだったら…ワルキューレだったら…
全然ちがったお人形の姿が 頭の中で組み上がっていくのが楽しいです

さて このアンジェラの話を聞いたお父さんは
「昔あった時計仕掛けの人形ってやつじゃないかな
このごろではもう作っていないと思うね」と言います

1950年の物語だとして お父さんは1920年ぐらいの生まれとすれば
ビスクドールのことを言っているのかもしれません
今から70年も昔 すでに
このごろではもう作っていない…というセリフが さびしいです
16:18  |  お人形の本箱  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
2019.08.06(Tue)

夏休みのクイズ

s-20190806db (1)
夏休みの宿題に たまに混ぜてくる息抜きのお遊びクイズ
クロスワードとか 間違い探しとかですが
サービス精神が溢れすぎて 年々難問になっていき
お勉強ではめったに聞きにくることのない
夏休みに入ってからすでに3度も
クイズ問題を 聞きにきています
(しかし大人は頭が固くなっているので すんなりとは答えられず
いっしょに悩んでいます)

ところでこちらのお人形の本にも
ちょっとしたクイズが…

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オルゴールを囲んだ
黄金の髪とわすれな草色のドレスの五人姉妹
五人姉妹…と思いきや 実は二家族がまじっています

ジュモー家の子とブリュ家の子
どの子がどちらのおうちの子でしょう

答えは追記で
11:51  |  お人形の本箱  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
2018.06.12(Tue)

私の巴里・アンティーク

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サガンの翻訳で有名な 朝吹登水子さんの本
古本屋さんで出会いました
「私の巴里」シリーズは1977年から「婦人画報」などで連載され
パリジェンヌ・アンティーク・ジュエリーの三部作で出されたエッセイです

実業家の両親が大正九年に世界漫遊の旅をしたときの話が
一番最後にあるのですが
出発前に横浜の高級婦人服店でたくさんのドレスを作らせたが
アメリカに着くとどれも野暮ったくて 全部作り直した話
イギリスで英語が通じないことにショックを受けて
日本に戻ってから ロンドンの小学校の先生
ミス・リーを5人の子供たちの家庭教師に雇った話
きらきらと贅沢で おとぎ話のように美しいのです

旅行を機にヨーロッパ通になったお母様は
さまざまな舶来品を取りよせます
自分の体型のマヌカンをフランスのドレス屋さんに残して
日本に帰ってからも
オートクチュールのドレスを作らせていたともいいます

そんな絢爛たる時代ではありますが
いっぽうで ヨーロッパへの船旅は1ヶ月以上かかり
この本では「子供を連れていくなら 1人ぐらいうしなう覚悟で」と
医者に言われ 泣く泣く子供を置いていったとあり
お母様もアメリカからイギリスへむかう船の中で
腹痛を起こしても治療するすべがなく
ロンドンへ着くやいなや入院して手術したとあります

今はジェット機で欧米まで1日もかからず
外航客船で病人が出ればヘリが迎えにいきます
人間にとっては幸福な時代になったと思いますが
文化が熟すには ゆっくりとした時間が必要なのかもしれないと
大正九年の外遊記を読んで 考えました

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このヴェルサイユの家の書斎で
エッセイが執筆されています
フランスの香水ブランド
コティの調香研究所長で取締役でもあった
夫のアルベール・アルゴーさんは
アンティークのコレクターでもあり
当時から シャトーの遺産相続で
古いアンティークが競売にかけられることが多く
それらをコレクションしていたそうです

家具から食器 文具 アクセサリー ドレスまで
さまざまなコレクションが紹介されていますが
残念ながら ビスクドールやお人形
子供向けのおもちゃ類などは まったく登場しません

唯一 子供向けのものとして紹介されているのが
ジャンヌ・ランヴァンの オートクチュールの子供服
水色にピンクの刺繍がある綿入りのコートで
1920-25年のもの
フランスのお人形は モールド301や60が有名な
安価な大量生産のお土産人形 ユニスの時代です

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参考に 我が家のユニス301
フランスの民族衣装が着せつけられた
お土産人形です
焼成温度が低く 陶器のような
ざらついた手触りです
グラスアイは 黒目一色か
不透明な青に黒目を重ねたシンプルなもの

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洗練された玄関ホール
映画「ミスターレディ・ミスターマダム」で
婚約者アンドレアの父親が
こんな感じの階段の下で話していて
アンドレアだったか母親だったか
女性のほうが椅子に腰かけているシーンが
あったのを思い出しました

階段の下にどうして椅子があるんだろうと
思っていたシーンでしたが
玄関ホールで 身支度をするための椅子だったんだと
長年の謎がとけました
10:19  |  お人形の本箱  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
2017.09.10(Sun)

自炊

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自分でごはんを作ることではなく
スキャナーを使って自分で
本からデータを吸い取り
電子書籍にすることを
自吸い→自炊というそうです

きれいにスキャンするためには
本をバラバラにしないといけないので
今まで もったいなくて
やっていませんでした

でも 古本屋で買った文庫本などが
ページをめくるとパリパリと崩壊しはじめ
このままでは開くこともできなくなる
と 自炊に踏み切りました

なお 戦前の本は逆に ピンピンしていました
貴重なものでもあるので
こちらはそのまま フィルムにつつみました
この本は文字のインクがすごくにじんでいます
インクがにじまないよう紙を加工する薬品が
酸化を早めると 何かに書いてあったので
戦前の本は そういう薬品がまだ
使われていないようです

さて 自炊で本をバラバラにするにあたって
薄い冊子などは お気に入りの
ナカバヤシスライドカッターで切っていました
これ


単行本などの分厚いものはこれでは切れないので
カッターでばらしていましたが
案の定 指の先がどんどんスライスされて行き
このままでは指が無くなってしまうので
裁断機を買いました



私が使っているのはこれ
折りたたみができるというので選びました
けっこう重いので そのたびに棚から下ろすのは
大変で 結局出しっぱなしにしています

単行本もザクッとまとめて切れます
冊子なども含めて300冊ぐらい切りましたが
刃を受ける受け木もまだ最初の1面が使えています

レーベルによって 板みたいに全然切れない本があります
カッターで薄くばらばらにしてやっと切りました
ハンドルにはストッパーがついているので
片手で安全装置を押しながらでないと
ハンドルを押せません
だからまちがって切れることはありませんが
片手でハンドルを下ろして切るのは
か弱い私には無理なので
安全装置を押しながらハンドルを下ろしてから
両手に持ち替えて切っています
少し面倒ですが 安全第一なので…

赤いレーザー光で切れる場所を示してくれるのですが
いまいちピンとこないので
受け木の傷を目安にしています



私が持っているのが180DXでこれは200DX
値段がだいぶ高いですが 違いは裁断できる分厚さです
180DXは1.5cmで 一般的な漫画の単行本(200P)は切れますが
文庫版などの少し分厚いやつが もうちょっとというところで入らないので
カッターで二分割せざるを得ません

200DXは本が入る高さが高いだけでどうしてこんなに
高くなるのかと疑問でしたが
20%分厚いものを切るには 刃の強度なども20%上げないと
いけないので より上質な鋼はより高額ということみたいです

漫画単行本の自炊がメイン+多い人は
分厚さが微妙なことが多いので 200DXのほうが
ストレスが無いと思います
私は薄い文庫本が多いので
安くてやや軽量な180DXで良かったと思います

スペースを確保するための自炊のために
巨大な裁断機を買うというのは
いったいどういう矛盾なのかとも思いますが
裁断機を使ってみると 実にスムーズで
暇なときにどんどん切って 1冊ずつ袋に入れて
たまったら まとめてスキャナにかけています

なお スキャナはカラーと白黒を自動判別するモードだと
どっちも綺麗に読めないので
本文をグレースケールでスキャンし
カバーは別にカラーでスキャンして
あとで統合するのが綺麗です

写真は スキャンするために切り取られた
表紙の一部です
右はカバーをカッターで切ったもの
左の本はソフトカバーだったので
裁断機でまとめて切ったために
ノドの部分が大きく欠けています
(これぐらい深く切らないと
背表紙をくっつけるノリが残っていて
ページがくっついてしまう箇所が
出てくるのです)

最初は抵抗がありましたが
スキャンしてみると 今までは積んでおくだけで
読まなかった本を手軽に開けるし
USBメモリ1本に何百冊も入るので
移動中に好きな本を読めるし
劣化しない
PDFなので本に直接メモを書き込める(そして消せる)
OCRをかければ検索や翻訳もできて
本が生き返った気がします

でも 子供の思い出の絵本などは
データだけの問題ではないので
やはりバラバラにはできません
自動でページをめくったうえに
歪みなくスキャンしてくれるような
ロボットはいつできるのでしょうか
01:10  |  お人形の本箱  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
2016.01.10(Sun)

やわらか・かわいい はじめてのどうぶつぬいぐるみ

0doubutu.jpg
冬休みが明けて
学校にうずまくピチピチのウイルスたちに襲われ
こうなりましたので
三連休はおうちでじっとしています

この機会に ずっと作ろうと思っていた
ふだんづかいの袋物をいろいろ
ミシンをかたかた 作りました
マチの広いエコバッグとか
大きなファイルが入る大きなトートバッグとか
内ポケットがいっぱいついたポーチとか
自分の希望にぴったりな形やサイズの袋物は
探してもなかなか見つからないので

それで 袋の持ち手を買いに手芸屋さんに行ったら
こんな本が置いてあって あまりにも可愛くて
買って帰ってしまいました
スターチャイルド社というぬいぐるみ会社による本で
サイトを見に行ったら 会社で実際に販売しているぬいぐるみと
同じ型を紹介してくれている太っ腹です

内容はぎっしり 動物の種類もたっぷりで
うさぎ くま 犬 猫 パンダ ぞう ブタ たぬき
全部おすわりタイプの ころんとしたフォルムです

同じ型でも布の種類を変えることで違う風合いの
ぬいぐるみを作れますよ といろんな布で
作ってみてくれています
人形にかぶせるフェルトの帽子や
お持たせのフェルトのフルーツなどの
小物もいっぱい載っています

写真もナチュラルな野外撮影が多く
写真集として見ているだけでも癒されます
しもぶくれのうさぎさんの 落っこちそうなほっぺがたまりません

小花模様のコットン布で作られたうさぎさんには
眠っていたアーリーアメリカン萌え魂を揺さぶり起こされます

残念ながら2011年の本なので
アマゾンや楽天では品切れで プレミア価格で販売されていました
手芸屋さんなら 本の出入りが激しくないので
定価で見つけられるかもしれません

12:49  |  お人形の本箱  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
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