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2018.07.13(Fri)

ドヤ顔のグーグリー

p2018-07-08dy_GF.jpg
グーグリーアイとは 直訳すればぎょろぎょろした目のこと
まんまる目玉で視線を横にそらした キューピー人形を
ローズオニールが作ったのが 1913年のことですが
貧しい子供たちでもお小遣いで買えるように という
ローズオニールの気持ちから 可動部は腕のみ
目もガラスの入っていない 一般的なキューピーが作られ
そのほかに 足が動いたりガラスのスリープアイが入っていたりする
ちょっと高級な路線のキューピーも作られました

キューピーのまんまるのお目々は 直訳どおりのグーグリーアイですが
それ以降 ドイツではキューピーのような
スイカのようなにっこり口(ウォーターメロンマウス)と
視線を横にそらした(サイドグランシングアイ)
まんまるの目をもった女の子の人形が作られました
これがグーグリーです

(サイドグランシングアイそのものは キューピー以前
1908年に カマーラインハルトが フラーティアイという
フクロウ時計のような 左右に動くガラスの目を持った
ベビーや女の子の人形を 作っていました)

そういういきさつなので グーグリーとよばれる
お人形たちは 単なるぎょろ目ではなく
みんな横を向いているのですが
この子はグラスアイのかげんで 正面を向いています
本来は 向かって右を向いていたはず

ただでさえグーグリーという人形は
ピーチクパーチクした感じなのですが
こちらのお嬢さんは眉毛や口元など
いろんな要因が合わさってものすごいドヤ顔で
一方的にマシンガントークをしてきそう
一気にしゃべって疲れたら
「それでこのおうち ココアとお菓子はないの」と
わがままざんまいで 引っかき回されそう
そしてうかうかと 全部の色のマカロンを買い与えてしまいそう

お人形のガラスの目には そんな魔性が宿っているので
ほかのグーグリーたちが みんなつつましく横を向いて
目を合わせてくれないのが ありがたく思えます
12:53  |  アンティークドールの構造  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
2018.05.16(Wed)

忘れな草色のターンヘッドドール

p2018-05-16th_GF.jpg
正面に対して 首が少し右や左を向いている人形を
ターンヘッドドールと呼びます

頭と首が一体型で 布のボディにとめつける
ショルダーヘッドドールでは ときどき見られるタイプ
ターンヘッドタイプのお人形は
おままごとの相手ではなく ブティックのマネキンとして
ポーズを決めて立たせるためのお人形です

一般的には ビスクドールがおままごと人形として
大ヒットする前の 古い時代によく見られるといわれています

写真のこの子は 小さなオールビスクドール
オールビスクドールは ドールハウスといっしょに
お人形ごっこをする用途が主なので
首を動かせない場合は 真正面を向いているのがふつうで
ターンヘッドは あまり見かけません
靴もレスラータイプのハイヒールなので
たぶん19世紀の子だと思います

ちょうど1/12サイズですし
大人のドールハウスに
胸もとのあいた貴婦人用のドレスをしっかり縫いつけられて
飾られるための人形だったと思います

まつげが無くてすっきりとした顔立ちなのも
ドールハウスや衣装に対して 自己主張しない感じに
あえて落とし込んでいるのかもしれません

すっきりした顔立ちと色白の肌に
透き通ったコバルトブルーの目がよく映えています
12:09  |  アンティークドールの構造  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
2016.10.29(Sat)

オールビスクの数字の刻印

質問がありましたので オールビスクドールに刻まれている数字について

オールビスクドールに刻まれている1桁の数字はサイズ番号です
ケストナーを中心として ほぼ統一されており
小さい順に0~8ぐらいまでサイズ展開します

1サイズの違いは ほぼビスクの一回縮小サイズ(80%)ですが
小さい人形の場合 サイズ1の違いで雰囲気がだいぶ変わるので
1/2や1 1/2 など 中間サイズが入る場合があります

また0よりさらに縮小すると 0/1とか0/2となります
分母の数が増えるほど小さくなるはずですが
0/2より小さい番号は見たことがありません
それ以下のものは ミニビスクとして別のモールドになります

サイズ0はほぼ4インチ サイズ8はほぼ8インチ ですが
関節の多い人形ではサイズ0でも4.5インチほどになり
モールドによって誤差が大きいです

833-7and0_GF_1.jpg
これは同じモールドのサイズ0(恐らく最小)とサイズ7です

またサイズ番号ではなく バイローベビーやボニーベベ・ベビーボーケイのように
なぜかアメリカ輸出用の物ほど 全長サイズがセンチで書かれています
10~20cmで どれぐらい種類があるのか興味を持っていますが
バイローでは

10(多い)
10 1/2
11
12(多い)
13
13 1/2
14
16(多い)
18(非常に少ない)
20

たしか私が今まで見つけて捕獲したサイズは これで全部です
なぜか12が一番多いのに12 1/2というのは見かけず
14以上の奇数サイズも見たことがなく
18も壊れたもの1体しか見つかっていません

3sizesByelo_GF_1.jpg
これは右から 12・13・13 1/2
少しずつ大きくなっていきます

833-7and0_GF_1.jpg
他に 2~3桁の数字があるのはモールド番号です
バイローは20番になります
先ほどの写真はケストナーの833番です
パーツを間違えないよう 手足には
モールド番号とサイズ番号を併記してあることが多いです

これらの番号は工場での利便性のためつけられています
天下のケストナーでも 細かいパーツのある人形の場合
左右を間違えて組み立ててしまうことがあります
(我が家にいるケストナー111多関節グーグリーの一体は
ひざから下の判別が難しいパーツ よく見ると両方が左足のパーツです)

組み立て間違い防止はもちろんですが
たとえば似たようなモールドだと 手足のモールドを
別の何番で代用する という指定にも使われたようです

オールビスクで無印のものは サイズ展開が無いものや
小さな工房で1ラインで作っていて 間違うリスクが少ないものです

ですからバイローでも パーツに分かれていないアクションバイローは
必要が無いので 刻印がありません
普通のオールビスクバイローの背中にはかならず刻まれている
原型の作者グレース・パットナムの刻印も無いのは少し不思議です

またヘルトヴィッヒの動物ビスクは サイズが3種類・種類が10種類近くありますが
色や形がそれぞれ特徴的で間違いようがないので
刻印は背中のGermanyのみで 数字の刻印はありません
17:59  |  アンティークドールの構造  |  トラックバック(0)  |  コメント(1)  |  EDIT  |  Top↑
2016.10.18(Tue)

地味にレアなベビー

0IMG_3834_GF.jpg
ビスクドール市場で恐らくもっともお手頃に手に入りやすいのは
アーモンドマルセルのドリームベビー AM341シリーズ
ベストセラーのロングセラーなので
数も膨大 8~16インチぐらいのサイズの子はとくに多いです
(でも一番数多く作られたモールドは お嬢様モールドAM390だそうです
ユニス60や301のように ごく小さく縮小して
お土産の衣装人形などにも流用されていたからだと思います)

もともとはげ頭のシリーズですが
シンプルで整った顔立ちなので
お好みでウィッグをかぶせても見栄えがします

まれにいるのが 写真の子のような
頭がオープンヘッドになっていて
ペイトとウィッグをかぶせた ウィッグ頭のAM341
ふつうのAM341の多さに対して どういうわけか
ウィッグ頭のAM341は極端に少なくて
今まで この子の他には
シーリーのコレクションで1体見かけただけです
可愛いのに少ないのがとても不思議

パイロット版だったコンポジションボディのバイローベビーと同じように
それ自体はとても可愛いくて一定の需要がありそうなのに
市場原理によって大量生産に乗せてもらえなかったのでしょうか
01:22  |  アンティークドールの構造  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
2016.08.19(Fri)

眉毛のモールド

0IMG_4223_GF.jpg
ビスクドールの眉は描くのが難しいので
有名なブリュ眉のように 左右で描き方が違います
昔の熟練の職人なら 右利きでも左利きでも
お構いなしに眉毛を円弧上に描けそうに思うのですが
やっぱり難しいものなのでしょう

結果的に 円弧眉の片方は 優しく穏やかですなおな顔
ギザギザ眉の片方は 芯が強く尖った孤高な表情
ひとつの顔の中に二面性が存在し
神秘的な表情を醸し出すことになりました
精巧な設計技師でもあったブリュがもし
単なるペイントの技術的な解決法ではなくて
そこまで計算していたとしたら 驚愕です

さて ツルツルのおでこに眉毛を描くだけでも大変なのですから
眉毛の部分にモールドがあった場合は
描きの難易度が格段に上がりますし
磁土液が型に行き渡らず 失敗する確率も無駄に上がります
腕自慢のケストナーなどで 眉毛モールドの
お嬢様人形はありますが 少数派です

ベビー人形では もともと赤ちゃんの眉毛は薄いので
ツルツルフェイスの上に まゆげはぼかしで薄く描かれ
型としてもペイントとしても主張していません
大ヒット商品のバイローベビーもドリームベビー(ニューボーンベビー)も
顔のモールドはツルツルで 大量生産の歩留まりを向上しています

タイニーベビーは複雑なしかめっつらをしていますが
眉毛はまったく描かれていません
モールドが深いので 顔に影が出るため
写真ではハの字眉が描かれているように見えるものもあります

そのような 眉毛の存在感が薄めのベビー人形界にあって
写真の子は しかめっつらの眉のモールドの上に
さらにしっかりペイントがのっている 珍しいタイプです
稜線の部分は 色が乗りにくくこすれやすいので
白っぽくなっています

このようなタイプは コンポジションドールではよく見られます
コンポジションドールではペンキを使うのでモールドの上に乗せやすく
リペイントもしやすいためでしょう
ビスクドール終期の コンポジションドールと同じモールドで
並行して少数つくられていたビスクドールバージョンの物の
ひとつかもしれません
12:47  |  アンティークドールの構造  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
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