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2017.01.27(Fri)

キューピーが立った!

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昭和40年代のキューピーさん
製造されて もうすぐ半世紀が経とうとしています

少なくとも20年ほど前から お座りポーズのままで
足を回そうとしても 硬くて回せませんでした

ソフビが柔軟性があるのは 可塑剤のおかげ
時間が経つにつれ 可塑剤は抜けていきますから
古いソフビはカチカチに固まり 割れやすくなります

割れるのが怖くて キューピーはずっと座ったままでした
しかし 同じ時代のセキグチのソフビドールをいくつか購入したところ
どれもまだまだ柔軟でした
キューピーの手触りも似たような感じだったので
たぶん可塑剤の状態はそれらと同じぐらいだと考え
念のため エアコンで室温を30℃まで上げて6時間
十分あたたまったところで ゆっくり足を回してみると…
少しきしんだあと クルリと回りました

そうして ぶじ再び立つことができたキューピーさん
立たせると実に大きいです
比較対象がゴキジェットで申し訳ない

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保護のため 人間用のベビー服を着せました
ソフビに色がうつるとこわいので なるべく白っぽいもので
洗剤をつかわずに2度 水とおしをしました

頭が大きく首回りが太いので フードはかぶれません
むりにかぶらせると 髪のペイントがこすれるし…
羊のフードでかわいいのですが 残念です

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後ろ姿
魅惑のお尻です

後頭部の汚れが少し目立ちますね
暖かくなってから 水拭きしましょう
23:44  |  修理(ボディ)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
2016.10.15(Sat)

丸ゴムと伸縮性テグスの経年劣化

ビスクドールのゴムを自分で引き直すとき
私は 手芸用のゴムを使っていますが
専用のゴムはみくにビスクドール
組み立て関係のページで通販しています

アクセサリーなどに使われる ノビロンなどの伸縮性テグス
透明なので ペグジョイントの人形などに使えれば
ノースリーブでも違和感を減らせると思い
代用できるかどうか ひと夏窓辺で放置してみました

ゴムもシリコンも紫外線には弱いのですが
丸ゴムはゴムを包んでいる白い糸が紫外線を反射するのか
目立った劣化は見られませんでした

伸縮性テグスのほうは 黄色く変色し
引っ張ると伸びますが縮まず ブチブチと切れて劣化していました

室内に置いておくぶんには 伸縮性テグスでゴムを引いた人形が
5年以上劣化せず保っていますから 通常の使用では
あまり気にしなくても大丈夫だと思います

ただ テグスは切れると切れてしまいますが
丸ゴムはゴムが切れても糸でつながっているので
グラグラになっても首が落ちるなど最悪の状況は免れるため
やっぱり ビスクドール黎明期から使われ続けた
糸巻きの丸ゴムが一番良いと思います
19:39  |  修理(ボディ)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
2016.08.16(Tue)

Re:ループの無いオールビスクのゴム引き

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過去記事についてご質問をいただいたので
ジョイント部分にループ部品の無い
オールビスクのゴム引きについて追記します

(過去記事「ペグジョイントをゴムジョイントに変更する」もあわせてご覧ください)

このタイプのオールビスクドールは
たとえば腕―胴―腕と 1本のゴムを通し
腕の穴に木のペグを差し込むことで ゴムを固定します
ペグを固定するため 膠を併用することもあります

ゴムはやがて劣化してカチカチになり
ペグもゆるんで外れることがあります
長い年月の間でこれを何度か引き直されるわけですが
プロのドールドクターは 木のペグを削り出して
元通りに引き直しますが
このようなゴム引きはレアなタイプなので
専門でないショップなどで修理された場合
場数をあまり踏んでいないことが多く
ペグを削るのが難しい ペグをねじこんでひびが入るのが怖い
ということで 私がやっているように団子結びにしたり
穴が大きすぎて団子がすっぽ抜ける場合に
テディベアのようにボタンをつける修理を見たことがあります

どちらも素人の応急処置で
このタイプの人形がよく着る ノースリーブの
ガウンのようなドレスを着られませんので
技術力があれば ペグで引き直せるのがベストです

団子がゆるまないよう接着剤を入れられてしまっている場合
カチカチになって取れなくなります
この場合は ブロクソンのピンバイスで
少しずつ穴を開けて穴の中身を削り出してからゴム引きしなおします
電動リューターを使う場合は ビスクが割れないよう
回転数を遅めに
またドリルを強引に突っ込むと割れるので
削るような感じで少しずつ進めます
石膏ならかんたんに削れますが
リプロ用の黄色い硬質石膏や エポキシなどだと
骨が折れるので 根気よく進めてください

また接着剤の種類によっては
アセトンにつけこむか アロンアルファはがし液でふやかすと
スポンと抜けてくれる場合があります
18:39  |  修理(ボディ)  |  トラックバック(0)  |  コメント(7)  |  EDIT  |  Top↑
2016.04.12(Tue)

コンポジションベビーのゴム交換

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人形のゴムは10年ぐらいは余裕でもちますが
そのうちゴムが酸化して固まり 伸びなくなってきます
ゴムの質や扱いにもよるかもしれません
いっぱいいっぱいにのばして 日光にさらしている糸巻きゴムは
1年で伸びを失ってしまいました

自転車屋さんで自転車修理をするように
その昔はおもちゃ屋さんでおもちゃの修理もしていました
人形用の交換パーツ 目や歯や口の中に貼る赤い布など
いろんなものがおもちゃ屋さん用におろされていました
足りない部品は手作りの木彫りで作り足されたものもあります

私が持っているPGのうち フランスから購入した58㎝のものは
1880年代に作られたそうですが
ヘッドには1934年のフランスの新聞が詰まっていました
それまで何度も修理に出されていた最後の修理が1934年なのかもしれないし
50年忘れられて 遺品整理のタイミングでゴムを入れ替えたのかもしれません

このコンポジションベビーは だいぶ昔にゴムを交換されていましたが
むきだしの太い輪ゴムでそのまま繋ぐという荒療治
(とはいえ 一番最初の出荷段階でも そういう繋ぎ方なのですが)
糸巻きのゴムでないぶん 劣化も進んでいましたから ゴム交換しました



冬の間は指先がかじかみ 不慮の事故が起こりやすいため
春まで待っていました
9インチの小さな人形なので ゴムは6本巻きの帽子用で十分
この太さが一番扱いやすくて好きです
この大きさだと鉗子も必要ありません

ビスクドールの時代から ベビーボディは
一本のゴムを輪にして頭と手足を繋げるようになっていて
それは お座りしたときの安定度が増すのですが
ねんねをさせたり 腕を自由に動かすのが難しいのです
また その繋ぎ方は鉗子や万力の補助がないと難しいので
両腕どうしを輪に繋いで首の穴から縛り
両足と首を三角に繋いで 股関節の穴から縛るのが
私には一番やりやすいです

ただしコンポジションベビーは首の穴が小さいので
腕を結んだゴムは 脇の穴から縛ります

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ゴムを引き直してしゃっきりすると
人形も命を吹き返したように見えますし
ボディがぐらぐらしないので 取り扱いもしやすく
安全で安心です

唇の塗装がはげているのは
ゴムの哺乳瓶を当てられて いっぱいお世話された印
ほっぺのピンクが薄れているのは
ほっぺをいっぱいナデナデされて 可愛がられた印
こんなに誰かに大切にされた子を
大切にしない道理はありません
また何十年か経ってゴムがゆるんだ時には
引き直してあげましょう
12:32  |  修理(ボディ)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
2015.05.07(Thu)

梅郎ちゃんと梅次郎ちゃん

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このブログの掲示板アイコンのところにいつもいる 梅郎(ばいろう)ちゃん(右)は
私が最初に買った オールビスクのバイローベビーです
二番目が梅次郎(うめじろう)ちゃんです
こんなに小さな人形だと 同じモールドでもペイントの
ちょっとした違いで 全然ちがう顔になります
梅郎ちゃんは彫が深くて唇も分厚く 趣の深いぽったりした顔立ち
梅次郎ちゃんは薄いしょうゆ顔で 目もとが鋭いイナセな印象です

そのむかし イーベイに出ていた梅郎ちゃんは
手足が無く ボディもななめに割れて
黄色いボンドでべったりくっつけられていました
アメリカの骨董屋さんが 古い物置の道具を大量に仕入れたとき
箱の底にこの子がいて 割れているし汚れているし
ゴミ箱に捨ててしまおう と投げ込みかけたところで
顔が可愛いから ためしにイーベイに出してみようと出したのを見つけて
安かったので買いました 送料合わせて2000円ぐらいでした

アロンアルファはがし液で 表面のべったりボンドを全部はがし
次に水で はがし液のぬるつきを洗い流して
つるつるの湯あがりたまご肌にしたあと
石粉粘土(ラドール)で パーツロスしている部分を埋めました
手足は 現代物のポーセリン製でつけかえました

こうして修理して服を着せてみると 本当に可愛いので
ゴミ箱に行かずにイーベイに出してくれて良かったと思いました
11:02  |  修理(ボディ)  |  トラックバック(0)  |  コメント(6)  |  EDIT  |  Top↑
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