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2014.02.21(Fri)

ひとつの関節が持つ無限の可能性

人形の関節は 多いと多様なポーズが取れる反面
あやつり人形のようにぎこちなく「人形っぽく」見えてしまうデメリットもあります
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ジュモートリステなど初期のジュモーは ファッションドールの流れを汲んで
袖から出た腕を美しく見せる ストレートリストという手首に関節の無いタイプ
テートジュモーの時代になると インテリアとして飾るファッションドールから
10歳前後の子が抱いてままごとや着せ替えをする 遊びの人形というカラーが強くなり
手首に関節ができました
着せ替えをするときは手首をまっすぐにして着がえやすく
パラソルなどを持たせる時はストレートリストの人形のように
手首をそらせてポーズを取らせます

見栄えとポージングの両方の点から
どの関節を生かし どの関節を省くか
アンティークドールを見ていると 悩みの多い部分のようです

首と胸あるいは胴体がつながっている人形は
デコルテを美しく見せることができますが
首の関節が一番人形の表情を出せる部分でもあるため
最初から首を少しひねった形で作ってしまえば
両方のいいところをとれる というのが
ちょっと横を向いているターンヘッドと呼ばれるタイプ

胸までビスクでそこからレザーや布のボディをつける
ショルダーヘッドタイプの人形にも
頭と胴体が一体成型のオールビスクの人形にも見られます

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胸もとがリボンで隠れていてわかりにくいですが
手前の水色の子はターンヘッドです

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これは逆に頭だけが動く バブルヘッドドール
子供のおもちゃや ちょっとした飾り物として
1920年代からドイツでたくさん作られました
やさぐれた雰囲気のふてぶてしい男の子ですが・・・

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首を回すとこの通り 内気で人見知りな表情に早変わりです
たぶん 目が横を向いているのも表情を大きく変える要因になっていると思います

もうひとつは すりばち状の首の穴にすりこぎ状の頭を入れる
スウィブルネックと呼ばれるタイプの首の関節であること
オールビスクのボニーベベやベビーボーケイは
ソケット型の首の関節なので 首を水平方向にしか回せません
「かしげる」という動きができると すごく表情を出せると思います
11:39  |  アンティークドールの構造  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)  |  EDIT  |  Top↑
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