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2018.06.12(Tue)

私の巴里・アンティーク

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サガンの翻訳で有名な 朝吹登水子さんの本
古本屋さんで出会いました
「私の巴里」シリーズは1977年から「婦人画報」などで連載され
パリジェンヌ・アンティーク・ジュエリーの三部作で出されたエッセイです

実業家の両親が大正九年に世界漫遊の旅をしたときの話が
一番最後にあるのですが
出発前に横浜の高級婦人服店でたくさんのドレスを作らせたが
アメリカに着くとどれも野暮ったくて 全部作り直した話
イギリスで英語が通じないことにショックを受けて
日本に戻ってから ロンドンの小学校の先生
ミス・リーを5人の子供たちの家庭教師に雇った話
きらきらと贅沢で おとぎ話のように美しいのです

旅行を機にヨーロッパ通になったお母様は
さまざまな舶来品を取りよせます
自分の体型のマヌカンをフランスのドレス屋さんに残して
日本に帰ってからも
オートクチュールのドレスを作らせていたともいいます

そんな絢爛たる時代ではありますが
いっぽうで ヨーロッパへの船旅は1ヶ月以上かかり
この本では「子供を連れていくなら 1人ぐらいうしなう覚悟で」と
医者に言われ 泣く泣く子供を置いていったとあり
お母様もアメリカからイギリスへむかう船の中で
腹痛を起こしても治療するすべがなく
ロンドンへ着くやいなや入院して手術したとあります

今はジェット機で欧米まで1日もかからず
外航客船で病人が出ればヘリが迎えにいきます
人間にとっては幸福な時代になったと思いますが
文化が熟すには ゆっくりとした時間が必要なのかもしれないと
大正九年の外遊記を読んで 考えました

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このヴェルサイユの家の書斎で
エッセイが執筆されています
フランスの香水ブランド
コティの調香研究所長で取締役でもあった
夫のアルベール・アルゴーさんは
アンティークのコレクターでもあり
当時から シャトーの遺産相続で
古いアンティークが競売にかけられることが多く
それらをコレクションしていたそうです

家具から食器 文具 アクセサリー ドレスまで
さまざまなコレクションが紹介されていますが
残念ながら ビスクドールやお人形
子供向けのおもちゃ類などは まったく登場しません

唯一 子供向けのものとして紹介されているのが
ジャンヌ・ランヴァンの オートクチュールの子供服
水色にピンクの刺繍がある綿入りのコートで
1920-25年のもの
フランスのお人形は モールド301や60が有名な
安価な大量生産のお土産人形 ユニスの時代です

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参考に 我が家のユニス301
フランスの民族衣装が着せつけられた
お土産人形です
焼成温度が低く 陶器のような
ざらついた手触りです
グラスアイは 黒目一色か
不透明な青に黒目を重ねたシンプルなもの

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洗練された玄関ホール
映画「ミスターレディ・ミスターマダム」で
婚約者アンドレアの父親が
こんな感じの階段の下で話していて
アンドレアだったか母親だったか
女性のほうが椅子に腰かけているシーンが
あったのを思い出しました

階段の下にどうして椅子があるんだろうと
思っていたシーンでしたが
玄関ホールで 身支度をするための椅子だったんだと
長年の謎がとけました
10:19  |  お人形の本箱  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  EDIT  |  Top↑
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